ふんわり王子と甘い恋♡
「一緒に、行こ?」
「、…ハイ」
無駄に歩いてしまった廊下を、引き返す。
私にとってみれば、なにも考えなくて済むのなら、夢のような時間。
だけど迷惑をかけているから、無駄足だったから……
これは今、夢のような時間なんて思っちゃいけない。
「おっと」
廊下の角を曲がったら、またしても出くわす、春田会長。
さっきと違うのは、制服を脱いでTシャツ姿になっていること。
それでも更に暑いのか、Tシャツの袖を肩まで捲り上げている。
「……どんだけいんだよ。」
「はは、こっちのセリフなんすけど。長くねぇ?放課後デート」
「だから、ちが、」
迷惑をかけている上、更に誤解されて、もう最悪どころの話しじゃない。
違うんです、フワリくんはただ、私の役立たずっぷりに振り回されているだけなんです……