ふんわり王子と甘い恋♡



「人、増えてんな。」

「……です、ね。」



人混みによって、少しだけかき消された気まずさにホッとした。



「あった。」

「あ、…」



さっきまで座っていたテーブルの上に、忘れ物のコピー用紙が置いてある。


よかった、無事で。



「ありがとう、ございます……」

「うん」

「…、」



フワリくんが笑ってくれるから、私も笑った。


フワリくんが笑ってくれるから、役立たずな雑用係の心も、救われた……



「じゃ、今度こそ、教室戻っか。」

「、はい」



今度はコピー用紙をフワリくんが持ってくれて、私の手には結局コーヒー牛乳だけ。


それももう、中身はほとんど空っぽだけど。


でも、捨てたくないな……



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