ふんわり王子と甘い恋♡



「あ、れ。なんだ、いたんだ?」

「お。」



学食を出て、渡り廊下を渡って、購買前を歩いている時、購買から出て来た雄介先輩に出くわした。



「お前ら、まだこんなとこに……」

「だって菊がさぁ、急に肉まん食いたいっつって、あと5分で出来るから待ってろって購買のおばちゃんが言うからさー」

「菊、肉まんどんだけ好き。」

「あいつ毎日食って、よく飽きねーよな」



ヨッコの為に、菊地先輩肉まん大好き情報を頭の中に保存した。


購買の中に見える山本先輩は、きっと1年生の為に買ったであろうパンを抱えている。



「よっしゃ、肉まんゲット」

「どんだけ好きだよ」



無事肉まんをゲットした2人が、購買から出て来た。


先輩たちはそのまま教室に向かって歩き出すから、私もまた1番後ろに着いて歩く。


行ったり来たり、今日だけで何往復してるんだって感じの廊下。


それもこれも全部、私のせいなんだけど。



階段を上る途中、前を歩くフワリくんが振り向いた。



「……旗。手伝う?」

「あ、え、と……」

「衣装。手伝う?」

「、……」



フワリくんとは一緒にいたいけど、女子1人でってのは……ツライ、かも。


どうしよう……決められない。



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