ふんわり王子と甘い恋♡
「あそこの前通らないと、学食行けないね……」
「、…」
「購買でパン買って教室戻る?」
友達って本当に有難い。
ヨッコだって学食に行って、菊地先輩を捜したいはずなのに。
「大丈夫、行ける」
「そう?」
「うん、ありがとう、平気」
もう、いい。
あずりん先輩や谷ぽんの友達、それにあの女の先輩。
もう誰を心配すればいいのかわからない状況なら、誰のことも心配しない。
追いつめられた強がりは、本当に少し私を強くしたようで。
進むその先に、悲しいことが待っていたとしても。
例え泣くことになったとしても。
やっぱり少しでもフワリくんの近くに行きたいから。
だから私は、まっすぐ前に、
「あ、菊ちゃんこっちこっち~」
「おー」
「っ――無理、」
「う、ぇっ、ヨッコ!?」
合流した菊地先輩の隣に女の先輩がいることを、ヨッコは私より数倍速いスピードで察知し、
私の腕を引っ張り先輩たちの死角に隠れた。
「無理無理無理無理」
「、…」
私の腕をぎゅっと掴むヨッコの気持ちは、ものすごくよくわかる。
フワリくんの隣にも、見知らぬ女子がまだいるから……