ふんわり王子と甘い恋♡



「……」

「、…」



目が合ったけど、フワリくんが何も言わないから何も言えない。


昨日はあんなに近くで笑ってくれたのに、今日は何も……



「おう、君たちよく会うねー!」

「お、瞬くん。」



校舎が違うはずなのに、私はこの人にどれだけ遭遇するんだろう。



「あー、春田くんだ」

「春田~、ちょっと聞いてよ」

「春田先輩今からお昼ですかー?」



そして1番のモテ男はこの人だと、すぐに分かった。


女子たちからの視線とざわめきが凄いし、男子からもなにかと声を掛けられている。


あずりん先輩、どんだけすごい人と付き合ってたの……。


でもそっか、入学式のときから伝説の会長って言われてたっけ。



「春田ー、お前校内どんだけウロウロしてんだよ、会いすぎだろ」

「いやいや、昼休みに学食来てるだけなんすけど」



どうやら遭遇頻度が高いのは、私だけじゃないらしい。


春田先輩に向けられている熱い視線の中に、もしかしてフワリくんへの視線も紛れているんじゃないかって。


どさくさに紛れて探してみたけど、よく分からない。


それに……。


そんなことを心配したところで、フワリくんはあずりん先輩のことが好きなんだよね……


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