ふんわり王子と甘い恋♡
「行ったよ、もう大丈夫」
「ななから見て、左後ろの出口付近に座ってる」
「席変わろうか?ここよく見えるよ」
「いい……緊張して、ご飯食べれなくなる…」
「そう?」
未だに鳴るドクドクに、体の動きが鈍くなる。
胸がぎゅうぎゅう締め付けられて、窒息しそう。
今みたいに、正面から来られるのは反則だよ。
もう私、こんなんじゃ会話なんて、絶対に無理……
「…ねぇ」
私の斜め前に座るヨッコが、ラーメンを食べる手をしばらく止めている。
「どしたの、ラーメンのびるよ」
「ななとフワリくんて、まだ知り合いじゃない、よね?」
私のずっと後ろを見る様に、ヨッコは眉間にシワを寄せた。
「ま、まさかっ、知り合いなわけ、」
「見てた」
「え、なにを?」
「フワリくんが、さっきじーっとななを見て、た…」
「「「………」」」
う……
動け、ない……