ふんわり王子と甘い恋♡
「山本先輩の彼女さん、強かった、です、」
「あー、あいつガサツだから。髪、引っ張られたりしたでしょ」
「イエ、」
「したでしょー。髪、さっきまで縛ってたのに解いてるし」
「、するどい、」
「ごめんねー。あいつほんと凶暴で」
「ふふ、」
無理矢理にでも笑ってないと、耐えられない。
あずりん先輩とフワリくんの間で……泣いちゃいそう。
「えーと、雑用ちゃんの名前はー。ななちゃん、だっけ?」
「ハイ、」
『雑用ちゃん』から『ななちゃん』へ昇格。
だけどフワリくんに呼ばれたときみたいに、胸がきゅんとは、全然しない。
「髪といえばななちゃんさー」
「、…?」
「萌え系キャラなんだから、ツインテールが似合うよ」
「萌え、系、?」
「そうそう。こうやって2つに分けてー」
山本先輩の手が、私の髪をツインテールにしようと両サイドに持ち上げた、とき……
「、、、…ヤマ、!」
後ろの席のフワリくんが、突然、立ち上がった。
髪の毛を持ったまま、振り向く山本先輩。
私は……見上げたフワリくんと、目が、合った。