ふんわり王子と甘い恋♡
「おいコラ、チャラ男」
「……」
「聞いてんのかチャラ男」
「え、もしかして俺のこと?」
「お前以外ダレがいる。私の彼女にチャラチャラ触ってんじゃねぇぞ。その手、離しやがれ」
泣きそう……だったはずなのに……あずりん先輩は、やっぱりかっこいい。
未だ髪に触っていた山本先輩が、私の髪をふわふわ撫でる。
「えー、いいじゃんねぇ?ななちゃん萌え系で可愛いからさぁ」
「萌え系で可愛いのは認める!けどな、それが触っていい理由にはなんねぇんだよ!」
「しょうがねぇじゃん、俺萌え系好きなんだもん」
「お前の彼女全然萌え系じゃねーだろ!」
「彼女と可愛い子は別なの」
「チャラい!どこまでもチャラい!」
「心外だなー。俺一途だよ?浮気はしないし」
「だったら高橋から離れろ!近づくんじゃねぇ!」
そんな会話よりも……気になること。
なんで……
フワリくんとあずりん先輩は、睨み合ってたの……?
告白をして……気まずい、から……?
「あー、疲れた。俺もう走れねー!」
1人遅れて戻ってきた菊地先輩が、さっきと同じ、ヨッコの隣に座るのが見えた。
「ななちゃーん、ヘアゴム貸してごらん?お兄さんがツインテールにしてあげ、」
「高橋!」
「、!?」
あずりん先輩が大きく私を呼ぶから、体がビクッと跳ねた。
「移動だ移動!そのチャラ男から離れろ!」
「え、」
「今すぐ離れろ!後ろへ逃げろ!じゃないとまじでそいつに食われっぞ!」
「え……」
く……食われ、る……