ふんわり王子と甘い恋♡
「あ、菊地先輩、大原先輩、おはようございます」
トイレから出て来たみんなが、2人の先輩に声を掛けた。
多分、私とヨッコのために。
なにも知らないみんなは、私に絶賛協力中だから。
「おう、おはよー」
「見てください、今日のななはアイドルなんです!」
「可愛いでしょ?萌えるでしょ?」
私の体を、谷ぽんが前に押し出した。
一歩踏み出した私は……がんばって、顔を上げた。
「、…」
「……」
目が合ったフワリくんが、じっと私を見てる……
あずりん先輩を想うその目が、私を見てる……
「あ、菊池先輩。うちらって今何位ですか?」
「まだギリ1位かな」
「ギリ!やばいねヨッコ!」
「う、うん、やばいね!」
私とフワリくんを外して、トイレの前でみんなが輪になっている。
輪から外された私とフワリくんは、なにも話さない。
こんな気持ちのままじゃ、私はなにも、声が出ない……
「、ふは」
「え、?」
突然、フワリくんが笑った。