ふんわり王子と甘い恋♡
「じゃあこのまま、1位で逃げ切れるように頑張ろー!」
「「「おおおお!」」」
菊地先輩が、テントの前でチームのみんなに声をあげる。
このまま逃げ切れたら、フワリくんとバーベキュー。
だけど今の私にとって、バーベキューがしたいのかどうかも、もうわからない。
「あっらー、高橋、ツインテールだー」
昨日と同じ席で、あずりん先輩が後ろに振り向いた。
「今日のななはアイドルキャラなんです」
「生写真、1枚150円ですよ」
「よっしゃ!買った!」
「あはは、買うんだ」
「、…」
いつも通りのあずりん先輩。
全然、なにも変らなく見えるけど……
フワリくんにずっと考えてるって言われて……どう、思ったんだろう。
「さてと、今日の競技の目玉はなにかなー」
膝の上のしおりを手に取り、あずりん先輩がパラパラ捲っていく。
「先生たちのリレーじゃない?」
「あー、あと部活対抗リレーとね」
「楽しみー!」
「もりりんがまたバカなことしなきゃいいけど」
「するだろうねぇ、間違いなく」
「ふふ、」
女子4人でいつものように話していると、左隣に誰かが座った気配を感じた。
もしかしてフワリくん?って、ドキドキしながら隣を見たら、そこにいたのは……