ふんわり王子と甘い恋♡
3「チーム」
それから1週間、フワリくんには会えなかった。
4階までの距離が、果てしなく遠く感じてしまう。
あれから学食でお昼を食べるようにしても、フワリくんはいない。
毎日学食、ってわけでもないみたいで……
「はぁ~~……」
いっそのこと、天井が抜けて3年生落ちてこないかな……なんて。
5時間目を前にして、私の頭は完全に壊れていた。
「最近どこにもいないねぇ、フワリくん」
私の前の席に座って、体はこちらに向けるイッカちゃん。
頬杖着いてため息を吐いた。
「いない、ねぇ……」
イッカちゃんは窓から裏庭に目を移し、少しだけ表情を変えた。
「……難しいよね」
「ん?」
「ほら、恋って……難しい、でしょ?」
少しはにかんで、ね?って聞いてくるイッカちゃん。
彼女は確か、今は好きな人はいないはず。
「中学のときね、いたんだ、すっごく好きだった人」
「えっ、そうなんだ?」
「うん、1個上の先輩でね」
「うん」
「私もななと同じで、名前も知らなくて、クラスも知らなくて」
私と同じ。
片想い?