ふんわり王子と甘い恋♡
3「チーム」



それから1週間、フワリくんには会えなかった。


4階までの距離が、果てしなく遠く感じてしまう。


あれから学食でお昼を食べるようにしても、フワリくんはいない。


毎日学食、ってわけでもないみたいで……



「はぁ~~……」



いっそのこと、天井が抜けて3年生落ちてこないかな……なんて。

5時間目を前にして、私の頭は完全に壊れていた。



「最近どこにもいないねぇ、フワリくん」



私の前の席に座って、体はこちらに向けるイッカちゃん。


頬杖着いてため息を吐いた。



「いない、ねぇ……」



イッカちゃんは窓から裏庭に目を移し、少しだけ表情を変えた。



「……難しいよね」

「ん?」

「ほら、恋って……難しい、でしょ?」



少しはにかんで、ね?って聞いてくるイッカちゃん。


彼女は確か、今は好きな人はいないはず。



「中学のときね、いたんだ、すっごく好きだった人」

「えっ、そうなんだ?」

「うん、1個上の先輩でね」

「うん」

「私もななと同じで、名前も知らなくて、クラスも知らなくて」



私と同じ。


片想い?


< 33 / 638 >

この作品をシェア

pagetop