ふんわり王子と甘い恋♡



「明日から、……また日常、か。」



明日からの毎日に、もしもフワリくんがいてくれるなら、日常でもなんでもいい。


体育祭が終わっても……フワリくんとこうして会うことが出来るなら。


でも、現実は……



「もう、3年生の教室、……行けない、のは……」

「……」

「寂しい、デス……」

「…、」



これが私の精一杯。


精一杯の勇気は、俯きながら。


本当に言いたかったのは、大原先輩に会えなくなるのが寂しい……だけど。



「来なよ、教室。」

「、…」



顔を、上げた。


けど。



「ななちゃん来ないと、あずさ、寂しがるよ、」



結局、あずさ。


あずさばっかり。



「あと、……ヤマも、か……」

「、…」



フワリくんは、全然、寂しくはないんだろうけど。


そんな楽しそうに、他の人の名前を挙げられたら、……ツライ。


結局私の気持ちは、当たり前に一方通行のまま。



「だから……いつでも、おいで、?」



優しく笑うから……やっぱり好き。


俺も寂しいなんて、言ってくれないけど。



「、ハイ、…」



優しいその笑顔に会いに、ほんとに行くかもしれない。


その時は、今みたいに笑ってくれると、いいな。


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