ふんわり王子と甘い恋♡



「みんなは応援してくれて、協力してくれて」

「うん」

「でもほら、そう簡単にはねぇ……会えるだけで緊張するし、会えたら頭真っ白になるし」

「そう、ほんとにそうなの!」



同じだ。

イッカちゃんと、おんなじだ。



「勇気、いるよね……会話なんて、夢のまた夢だよね」



ポツリポツリ話すイッカちゃんの恋が、どうなったのか。

その続きが、知りたくて知りたくて。



「結局ね、私がうじうじしてる間に、彼女ができちゃって」

「え…」

「その先輩、同じクラスの人と、付き合ったの」

「……」

「なにも出来なかった私が悪いんだけどね…」



イッカちゃんは後悔している?

なにも出来なかったこと、後悔しているんじゃ……



「だからななには、私みたいになってほしくないなぁって」



そこまで言うと、5時間目を知らせるチャイムが鳴った。



「うん、ありがとう…」



みんな色々あるんだなって。


色んなところで、笑ったり泣いたりしているんだなって。


だからこそ気持ちがわかって、こうして力を貸してくれるんだ。



イッカちゃんからの言葉をしっかり胸に刻んで、


後悔しないように、私も頑張ろうと思った。


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