ふんわり王子と甘い恋♡
チームのみんながバラバラに散らばっていく。
帰ろーって声とか、なんか食べに行こーって声が、色んなところから聞こえてくる。
そんな中、私の耳に一際大きく聞こえたのは。
「高橋ー!ちょっと来てー!」
あずりん先輩が、私を呼ぶ声だ。
急いで駆けていくと、そこにはフワリくんと、旗を持つあずりん先輩がいた。
「いい、って、!」
「ダメ。こんな面白いもん他にないんだから」
「や、……無理、だ、から!」
「無理とか関係ねぇ。これは私の高校生活の思い出の1ページに刻まれるの!」
駆け付けた場所では、あずりん先輩とフワリくんが揉めていた。
「、…ななちゃん、絶対、迷惑、だって、」
「だーかーらー、迷惑とか関係ないの!体育祭史上こんな面白いもの、記念に残さないバカがどこにいる!」
「お、前の記念とか、……どーでもい、」
「ほらほら、とっと撮って帰るよ!私もうお腹空いてんの!」
呼ばれたのに、会話についていけない私はただ立ち尽くす。