ふんわり王子と甘い恋♡
「ぇ、……なん、……」
「体育祭のあと、切れちゃって、」
「……」
「もっかい、ななちゃんにつけてもらおうと、思ってたんだけど、」
「、…」
「ななちゃん、全然会わねぇ、し、」
いつの間にか、胸の中からズキズキが消えている。
聞こえる音は、ドキドキ……だけ。
「最近、どっかに隠れてた、……でしょ、」
「、…」
隠れてたのは、絶対、フワリくんのほう。
フワリくん学校辞めちゃった?って、思ってたくらいだから。
でもフワリくんも、私に会えないこと……少しだけでも気にしてくれてた?
ミサンガが切れて、私を探してくれてた?
「ぇ、……あれ、…切れ、?」
「ん?」
ミサンガが切れた、って。
それって……
「じゃあ、願いごと、」
「……う、ん?」
「叶うん、じゃ、……?」
「え、……そ、なの?」
目を少し見開いて、驚くフワリくん。
ミサンガのヒモが切れたら願い事が叶うって、知らなかったのかな。