ふんわり王子と甘い恋♡



「あ、……でも、大原先輩の願い事、……体育祭で優勝、でした、よね?」

「……。」

「ん?……違い、ました?」

「、……や、うん、」

「……?」

「ちがく、ない、…」



体育祭優勝できなかったから、せっかく切れたミサンガも、願い事を叶えてくれなかったってこと。



「じゃ、……も、つけないほうが、いい、の?」

「……」



どう……なんだろう。


切れたミサンガを、もう1度つけても……いいのかな?


わかんない。


そもそも、体育祭は優勝できなかったわけだし。


願い事、どっちにしろ叶ってないし、つけてもいい気はするけど。



「ミサンガはねー、切れたらすぐ捨てなきゃいけないんだよ。いつまでも持ってたら、まだ願いを叶えなくてもいいんだって判断されて、結局いつまでも叶わないんだって~」



トイレから戻って来たスー先輩が、会話が聞こえたのかすかさず加わり教えてくれた。



「でも、体育祭終わったし、関係ないんじゃ、」

「捨て、る、!」

「えっ」



フワリくんが、立ち上がってゴミ箱へ直行した。



「願い事、よっぽど叶えたいんだね~」



でも体育祭、終わってる、けど。


そんなに必死になったって、今更優勝にはならないと思うんだけど。



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