ふんわり王子と甘い恋♡



「……。」

「、…?」



ゴミ箱の前で、ゴミ箱を見つめるフワリくんがいる。



「大ちゃん、どうしたの~」

「……無理、じゃね?」

「なにが?」

「ミサンガ……捨てるのとか、絶対、無理。」

「、…」



結局捨てることなんて出来なくて、フワリくんはまた席に戻って来た。



「ミサンガに捨てられませんって言って、鞄とかにつけとけばいんじゃないかな~?」

「……。」

「捨てられないほうが、ミサンガだって気分良くなるだろうし」

「スーが捨てろ、言ったくせに。」

「だって本にはそう書いてたんだもん」



渋々、フワリくんはミサンガをリュックに結んでる。


それを見てたら、私も手首じゃなくて鞄につけたくなってきた。



スー先輩はフワリくんがミサンガを結び終わる頃、写真を見てるあずりん先輩のほうに戻っていった。




「ななちゃん。」



フワリくんのリュックに、青いミサンガ。



「、ハイ」



私も鞄につけたら、怪しまれるかな。



「あんま、隠れない、でね、」

「…ぇ?」

「避けられてんのかと、思った、」

「…ぇ、や、ぇ……ちが、全然、そんなんじゃ、」

「うん、」


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