ふんわり王子と甘い恋♡
15「ガクバケ」
学祭の出し物を決めてから1週間。
今日の放課後から、各係がそれぞれに準備を始める。
体育祭のとき同様、ソワソワと、慌ただしくなる学校内。
準備期間初日の今日、右校舎のガクバケ係は5階にある教室に集合予定だ。
「やっとこの日が来たー!」
「、…」
5階へ向かう階段で、ヨッコはとにかく嬉しそう。
菊地先輩といい感じだもん……嬉しいよね、そりゃ。
「いいなぁヨッコ、……菊地先輩といい感じで」
「は!?どこが!?」
「どこがって……仲良さそうじゃん」
「えぇ!?仲良さそうなのはそっちじゃん!」
「え、どこが!?」
「……。」
「……。」
なんだろう……。
やっぱり恋をすると、自分のことはとことんマイナス思考になるのかな。
私から見たら、ヨッコたちすでに両想いに見えるんだけど……。
「菊地先輩、最近2年の女子と超仲いいんだよ……名前で呼んでたし」
「そう、なの?」
「もう私なんて全然ダメ、ただの後輩としか思われてない」
「……、」
それは……体育祭のとき、私もフワリくんに感じた想い。
そっか、みんな同じこと考えてるんだなぁって、ちょっとだけ心強くなった。