ふんわり王子と甘い恋♡
「遅れました!スンマセン!」
騒がしい音を立てて、教室に入ってきたのはきくりんと桑野だ。
「お、きくりんじゃん。まだ始まってねぇよ?」
「ぇ、あ、まじっすか……よかったー」
「お前……。恥ずかしいからやめろよ、遅刻とか」
一気に注目を浴びたきくりんは、兄からの忠告にバツが悪そうな顔をしている。
そんな会話の横で、私は……
「ツインテールちゃん?」
「、…」
未だに、胸が苦しいまま。
2ヶ月ぶりに交わした言葉が、本当に苦しい。
「あー、そっかそっか、なるほどねー」
「え、?」
「ん?なんでもないよー」
……なんだろう。
「あれ、桑野もこの係なんだ?」
「こんにちは、またお世話になります」
「うっわ、桑野、お前また一緒?」
体育祭で旗係だった桑野は、男子の先輩たちと仲が良さそう。
きくりんたちも適当に席に着いたと同時に、前のドアがガラっと開いた。
入ってきたのは……もりりん。
なぜ……担任?
「ういーす。ガクバケ責任者の森だー。よし、とっとと決めろー。俺ぁ他にやることたくさんあるからな。とっとと決めてあとは勝手にやってくれー」
「「「…………。」」」
どこまでも自由なこの教師は、これでいいんだろうか。