ふんわり王子と甘い恋♡



「…も、空、真っ暗、」

「デス、ネ、…」



本当は、ここに乗っているべき子は、きっと私じゃない。


わかってるから、考えないように頑張った。


怖いくらいの緊張と……同時に溢れる幸せを。


ただ……感じていたいから。


他のことは考えないで……大好きな人の背中で、ただ滲む涙を堪えた。



だけど。


ふっと過った疑問。


それは彼女とか、あの子とか、そんなことじゃなくて。


なんで。


どうして。


フワリくんは、私が徒歩通学って知ってたんだろう。


私、言ったかな。


覚えてない。


けど……言った記憶は、ない気がする。



「この辺?」

「あ、ハイ、……その角、デス、」



焦って掴む腕を緩めたら、グラってしたから。


フワリくんも焦って、お腹にある私の両手を上から支えてくれた。



「ス、ミマセ、…」

「、焦った。ななちゃん、落ちると思った、」


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