ふんわり王子と甘い恋♡
「悪い、誰か廊下に幕張るの手伝って」
後ろのドアから、菊地先輩が顔を出した。
教室の中で暇そうなのは……私とヨッコと、……雄介先輩。
雄介先輩が仕事を手伝うとは思えない、から。
「ヨッコ、手伝ってきなよ」
「え、でも、」
「私は大丈夫」
「、…」
少しためらって、他に行きそうな人がいないのを確認して、ヨッコは菊地先輩と教室を出ていった。
ぽつんって……1人で床に座る。
机やイスが撤去されていて、ただ広い教室内。
置いてある無数の段ボールは、誰が用意してくれたのかわかんないけど……フワリくんがカッターでひたすら広げてるから、私もやったほうがいいのかなって。
近くの段ボールに、なんとなく手を伸ばした、とき。
「ツインテールちゃーん」
教室に入ってきた山本先輩が、真っ直ぐに、私のほうにきた。
「コンニチハ、」
「コンニチハー」
挨拶が……なんかチャライ。