ふんわり王子と甘い恋♡
「ななちゃんは、素が可愛いの。オーラっていうか、根っこ?」
「……」
「あちらにいらっしゃるナントカさんは、見た目だけが可愛いの」
私は別に……素だって可愛いわけじゃない、けど。
「あのね、ここ喜ぶとこ。なんで悩んじゃうかなー」
「…スミマセ、」
「あ、ほら。王子様のお出ましだ」
……おうじさま。
王子様?
え、もしかしてフワリくん?
「やば、また遅れた!」
「……」
きくりん、じゃん。
全然王子様じゃないし。
「なんか悩んでるなら、大好きな王子様に聞いてもらっちゃえ」
「……」
私の肩をバシッと叩いて、山本先輩は立ち上がる。
なに。
なに言った、今。
大好きな王子様。
なんか……もしかして。
山本先輩、勘違いしてる!