ふんわり王子と甘い恋♡



「図星……?」

「……イヤ、……アノ、」



恋なんて、誰がどこでしてるかなんてわからない。


ダレが誰を好きだとか、クラスメイトが見てる相手とか……そんなの、私には全然わからない。


わかるのは……なんとなくわかるのは、好きな人の視線の先、だけ。


だって見ちゃうから。


見たくなくても見ちゃうから。


気づきたくないことだって、きっと気づいちゃう。


フワリくんの視線の先に誰がいるのか。


それが愛原さんだってことしか、……私には全然、わからない。



ただのクラスメイトの好きな人に気づくきくりん、すごい……。



「あ、大ちゃんさーん。部屋の内装書いてきてくれましたー?」



教室に入って来た桑野の声が、全体に響く。


その声に、反射的に振り向いたら……


桑野じゃなく、なぜかこっちを見ていたフワリくんと、目が合った。



「……。」

「、…」



パッと逸らされた視線は、桑野へ向かう。



「内装、これ。」

「ありがとうございます!」



受け取った紙に、どんな内装が書いてあるのか……気になる。


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