ふんわり王子と甘い恋♡
「手ぇ繋いでんのは、ななちゃん怖がってるから、だし。」
「おー、健全健全」
別に……何かを期待していたわけじゃない。
わかってたこと。
彼女がいることも、手を繋いでくれる理由も。
わかってたこと、なのに。
ダメージは……体全部に圧し掛かる。
「アノ、……誤解、されるかも、ナノデ、……」
「…ん?」
「もう、大丈夫、デス、」
「、…」
手を、自分から離した。
玄関の、少し前で。
「アリガトウ、ゴザイマシタ、…」
愛原さんはこんなところにいるわけない。
誤解されるかも、は……ただの言い訳。
フワリくんが愛原さんに誤解されないように、なんて……私はそんないい子じゃないから。
ただ……もう手を繋いでいるのが辛かった、だけ。
「車回してくるから、玄関で待っとけ」
もりりんが懐中電灯をフワリくんに預けて、職員用の玄関から外へ出た。
今……2人きりは嫌なのに。
タイミングは、いつも最悪……
「靴、替えにいこ。」
「、ハイ…」
いつまで……続くんだろう。
この、上がったり下がったりの、繰り返し。