ふんわり王子と甘い恋♡



「あの、」



気になっていることが、ある。



「ん?」



聞きたい、こと。



「春田先輩、とは、……どう、なんですか、」

「……」



どうやって聞いていいのかわからなくて……変な聞き方になっちゃった。



「どうって、セクハラおやじみたいな聞き方だな」

「…、」



仲良さそうだったし……もしかして、ヨリを戻したのかなって、思ったから。



「別になんも変わってないよ。ふっつーに友達に戻った感じ」

「、…とも、だち?」

「そう、友達」

「いいん、ですか?」



だってあずりん先輩は、まだ春田先輩のこと……



「いいの。あのときのさ、瞬くんに『別れて』って言われたときの可哀想すぎる自分、もう二度と会いたくないから。またあんな想いするくらいなら、今のままが1番いい」

「、…」



あずりん先輩は、大人だって思ってた。


春田先輩の気持ちを尊重して、認めて、笑って別れられる、大人だって思ってた。


でも……林先生が言っていたように、きっと家ではいっぱい泣いてた。


ツライ想いをいっぱいしてた。


泣けちゃうくらいの……恋をしていたから。





「ななちゃん。」



「、…」




不意打ち……すぎる。


あずりん先輩との話しに夢中で……気づかなかった。


赤いペンキを持ったフワリくんが……戻ってきてた、なんて。


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