ふんわり王子と甘い恋♡
20「学祭2日目」
学祭2日目。
今日は一般客も参加だから、保護者や他校の生徒がたくさん来ていて、なんだかそわそわしてしまう。
開始早々、ガクバケのお化け屋敷は長蛇の列。
多目的教室を担当した私たちのグループは、当日もやらなきゃいけない仕事がある。
2人1組で多目的教室の中に隠れて、お客さんが入ってきたら心霊写真のテレビをつけて、いなくなったら消して、入ってきたらまたつけるっていうエンドレスな仕事。
1時間で次の組と交代制で、それが終わればあとは自由。
私はヨッコと一緒の組で、順番はまだまだだから今は自由時間。
今は確か、山本先輩と桑野が一緒に隠れて仕事をしてる。
「高橋」
「、…」
1年3組の教室で、男子たちが女装するメイドカフェを見ていたら、
横に、きくりんが立った。
どんな顔で会えばいいのかわからないから、少し俯きがちに、きくりんを見る。
「今、暇?」
「え、?」
「暇だよね、どう見ても」
「、…」
見るからに暇そうな私を見て、きくりんが笑う。
暇だったら、なにを言われるんだろう……
昨日の今日で、きくりんが私になにを言うのか……想像もできない。