ふんわり王子と甘い恋♡
「あれ、大ちゃん、ツインテールちゃんと一緒だっけ?」
「きくりんと、代わることになって、」
「あー、そーなん?」
「きくりん、部活の用事できたみたいで、」
桑野と山本先輩が、狭い机の中から出てくる。
「俺もツインテールちゃんと一緒がよかったなー」
「悪かったですね、僕で」
「まぁ面白かったからいーけど」
机から出て来た山本先輩は、フワリくんにテレビのリモコンを渡す。
「はい、じゃあ交代よろしくー」
「大ちゃんさん、お願いします」
「ん。」
1時間の労働から解放された2人は、体を伸ばしてストレッチ。
その様子を、私とフワリくんは立ったまま見てた。
「ツインテールちゃーん、狭い暗闇の中で大ちゃんにセクハラされないようにね」
「し、ねーし!」
机の中でフワリくんにセクハラなんてされたら……きっと酸欠で意識を失う。
今、想像しただけで、また酸欠になっちゃいそうだし……。
「んじゃ、あとよろしくー」
チャラく手を振りながら、山本先輩と桑野は多目的室を出て行った。
暗闇の中からすぐに消えて行った2人は、もう気配すら感じない。
感じるのは……フワリくんと私の、気配だけ。
心臓が……激しく、鳴り始める……