ふんわり王子と甘い恋♡
「えーと、お名前は?」
「あ、伊集院葉子です。ヨッコって呼ばれてます」
「伊集院!?名字かっけぇな!」
「ありがとう、ございます?」
「漢字3つの名字の人初めて出会ったっ!すっげぇ!」
フワリくんと一緒にいた人は、イメージしていた感じと少し違った。
なんていうか……ボーイッシュ?
「で、お隣の君は?」
「あ、高橋ななです」
「高橋ねっ、了解。私は佐伯あずさです。あずりんって呼んでもいいよ!誰も呼んでる人いないけどね。ほれ、呼んでみん?あずりんて」
「えっ、……あ、…あ……あ…あず、…りん…先輩」
「ぶはっ!あんたあれだねっ、オドオドしてるとこ、うちのクラスの旗係のバカに似てるわ!」
「え、」
旗係のバカ……とは?
「あ、もう1人の雑用係はね……あ、いたいた、スーーーちゃぁぁぁあん!」
あずりん先輩が、廊下の端に向けて大きすぎる声で叫んだ。
振り向いた女の先輩が、恥ずかしそうに駆けてくる。