ふんわり王子と甘い恋♡



「……、」

「、…」



フワリくんが、なにも喋らなくなったから……


いよいよもう、本気で泣きそう。



に、なったとき。




「あー!」

「、…」



普段大声なんて出さないスー先輩が、声を、出した。



「高橋ちゃん、ちょっと来て!」

「え、」

「いいから、早く!」



ものすごく焦った感じで呼ばれて、スー先輩の前に立つ。


なに……?



「私ちょっと高橋ちゃんに用があるから、借りていい?」

「……。」

「え、ダメ?」

「なん、で……俺に聞く、んだよ。」

「、…」



フワリくんにそれを聞くのは、私と一緒に仕事をしているから。


他の理由は……ない。



「いいの?悪いの?」

「いい、けど、」

「代わりにあずさ置いて、」

「いらん。」

「早ぇわ返事!」



スー先輩が私になんの用事があるのか……心当たりはない。


だけどすぐにでも泣きそうだから……早くスー先輩とここを出たい。


早く早くって、……みんなには気付かれないように、スー先輩の腕を持つ。


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