ふんわり王子と甘い恋♡
「話、変えたろ。」
「、、…」
「やっぱ優しく、しねーぞ。」
「……。」
強いフワリくんが時々現れることは、この短時間で、なんとなく分かった。
たまにワガママになるのも、分かった。
ふにゃふにゃしている、いつものフワリくんとのギャップが……たまらない。
だけど、どんなフワリくんだって、やっぱり全然変わらない。
フワリくんの中にある、優しさは、変わらないんだよ……
「大原先輩、は、……優しい、です、……いつも、」
「……、」
「だから今日は、……打ち上げ、行きましょう、」
「えー……。」
って言いながら、すぐにふにゃって笑ってくれるこの人は、やっぱり優しい。
「ケツ、痛ぇ、」
「、…」
先に立ったフワリくんが、私を引っ張り立たせてくれる。
「パーカー、ありがとうございました、」
床に敷いていた黒いパーカーを手に取って、パタパタ埃を払って差し出したけど。
「汚れちゃった、カモ、……あ、洗濯して返したほうが、」
洗濯したほうがいいかもって、差し出した物を、引っ込める。
「あ、でも、着て帰ります、カ、?」
でももう夜は冷えるし、着て帰るかもって、また差し出して、見上げたら……
「……。」
「……ん?」
「…、」
掴まれたのは、……パーカー、ではなくて、私の手首。
軽く引っ張られたあと……フワリくんの胸に、誘導された……