ふんわり王子と甘い恋♡



「話、変えたろ。」

「、、…」

「やっぱ優しく、しねーぞ。」

「……。」



強いフワリくんが時々現れることは、この短時間で、なんとなく分かった。


たまにワガママになるのも、分かった。


ふにゃふにゃしている、いつものフワリくんとのギャップが……たまらない。


だけど、どんなフワリくんだって、やっぱり全然変わらない。



フワリくんの中にある、優しさは、変わらないんだよ……




「大原先輩、は、……優しい、です、……いつも、」

「……、」

「だから今日は、……打ち上げ、行きましょう、」

「えー……。」



って言いながら、すぐにふにゃって笑ってくれるこの人は、やっぱり優しい。



「ケツ、痛ぇ、」

「、…」



先に立ったフワリくんが、私を引っ張り立たせてくれる。




「パーカー、ありがとうございました、」



床に敷いていた黒いパーカーを手に取って、パタパタ埃を払って差し出したけど。



「汚れちゃった、カモ、……あ、洗濯して返したほうが、」



洗濯したほうがいいかもって、差し出した物を、引っ込める。



「あ、でも、着て帰ります、カ、?」



でももう夜は冷えるし、着て帰るかもって、また差し出して、見上げたら……




「……。」

「……ん?」

「…、」




掴まれたのは、……パーカー、ではなくて、私の手首。



軽く引っ張られたあと……フワリくんの胸に、誘導された……


< 582 / 638 >

この作品をシェア

pagetop