ふんわり王子と甘い恋♡
23「未来へ」
学園祭が終わって次の日の今日は、全校生徒で片づけをする日。
ガクバケで担当した教室を、みんながテキパキと片づけていく。
「あーあ、せっかく作ったのになー」
「祭りのあとって切ねー」
窓に張り付けている幕や段ボールを剥がすと、それだけでもう別世界。
教室に光が差し込んで、魔法が解けたみたいに、明るく、眩しくなっていく。
「うわ、眩しすぎ」
「浴びとけ浴びとけ。失恋の傷には陽の光が1番の薬だろ」
「うーー……切ねぇぜ!」
失恋の傷を癒すように、体いっぱいに陽を浴びる雄介先輩。
「段ボール捨ててきまーす」
「おー、わりーな」
大量の段ボールを抱えて、桑野ときくりんは教室を出る。
私は、窓の横に貼りつくガムテープを剥がすのに、必死。
だって全然剥がれない、これ……。
「ななちゃん、」
「ハイ、!」
ガムテープを剥がすのに必死で、そのまま必死な返事が飛び出た。
「ぉ、元気だ、」
「ぁ、……間違え、ました、……ボリューム、」
私の手には、剥がしたガムテープがいっぱいついている。
フワリくんが、それを一個ずつ、私の手から取っていく。