ふんわり王子と甘い恋♡
そして数年後―――
「ぷっはー!仕事終わりのビールはまじで沁みるわ~」
「佐伯お前、想像通りの成長を遂げてんな……」
「もー、新入社員の子が全然ダメなの!挨拶もろくにできなくて、言葉の大切さなんっにも分かってねぇの!」
「それを教えてやんのが先輩だろ」
「まぁそうなんだけどさ。んなことよりもりりん、最近やっと男の貫禄でてきたんじゃない?」
「まーな、32にもなりゃ、そりゃな」
「いーよね男は、30代が1番モテるって言うもんね。それに比べて女は25過ぎたらババァ扱いよ、ババァ」
「んなことねーだろ」
「んなことあんの。若い女が好きな男ばっかでやんなっちゃう。男は逆にさ、若いと頼りがいがないっつーか。ほら、うちらの副担やってたころなんて、もりりんも高校生みたいなもんだったじゃん」
「うっせーぞ」
「しゃーないじゃん事実だし。んで?りんちゃん元気?息子何歳になったっけ?」
「もうすぐ2歳」
「2歳かー。つーか教え子の子供のほうがでかいって、どういうこと」
「それはまぁ、いんじゃねぇの。人それぞれで」
「ですってよ。大原家のみなさん」
あずりん先輩が、ビール片手に私たちを見る。
「ん?」
「あ、零してる!」
「ぉわ!?おま、零すなら下りろ、」
「やだ~。パパのひざのうえがいいー」
「ななちゃん、ごめん、おしぼり取って、」
只今、我が大原家にみんなが遊びに来ている。
みんなと言っても、あずりん先輩ともりりんだけだけど。