ふんわり王子と甘い恋♡
「で、お腹の子は順調なの?」
「わ、たし、ですか?」
「あんたしかいないでしょ。私妊婦じゃないし」
「順調、です。今のとこ、」
「は?なに、2人目?」
「あれ、もりりん知らなかったの?」
子供は、現在4歳の長女とお腹の中にもう1人、長男がいる。
「そーかそーか、2人目か。つーかさ、昔お前らに、図書室で純愛がどーのこうの言ったの覚えてる?」
「なにもりりん、思い出話とかもう酔ってんの?おやじになると酔うのも早ぇのかよ」
「うるせぇぞ佐伯。先生の話を聞け」
「残念ながら今は生徒じゃないんで」
あずりん先輩ももりりんも、人柄も性格も、なんにも変わってない。
それが嬉しいのか、フワリくんが零れた飲み物を拭きながら笑ってる。
「俺はさ、2人がここまで純愛を貫いたってことに、ほんと感動してんだよ。お前らの結婚式で挨拶したとき、どれだけ涙を堪えたことか」
「いや、普通にガチ泣きしてたろ」
「だってよ、なんだよあの感動の結婚式。お前らどんだけみんなに祝福されてんだよ……」
「それももう何年前の話だよ。つーかそれよりも、私は結婚式のパンフレットが爆笑だったけどね。まさかあの写真使うなんて思わないじゃん?」
結局あずりん先輩も話しに乗るから、思い出話しはどんどん広がっていく。