ふんわり王子と甘い恋♡
「んあー?曲がってないんじゃん?」
私には、関係ない。
フワリくんに関係していることが、私にはなにもない。
旗係の人じゃなくて、あずりん先輩にわざわざ曲がっているかを聞くことも、
名前を呼んだことも、一緒に帰っていたことも、コーヒー牛乳がないことも。
それだけで私の胸が、こんなに痛いことも。
そんなのフワリくんからしてみれば、
関係、ない……
「曲がってんだろ。アホ」
「はぁ!?んじゃあ聞くんじゃねぇよ」
アホって言えるのは、仲がいいから。
もゆぴーと聡美に聞いたときはついてなかった言葉がプラスされるのは、フワリくんの中に、あずりん先輩がちゃんといるから。
存在、しているから……
大量のプリントを、ホッチキスで留めていく。
パチンパチンて音は、旗係の賑やかな声に消えていく。
フワリくんがいる。
すぐ傍に。
だけどこの日、どれだけフワリくんの方をじっと見ても、
1度も目が合うことは、なかった……