ふんわり王子と甘い恋♡
「んなことよりも、喉渇いたー!」
「あ、じゃあ私、飲み物買ってきます、」
「ほんとー?やったー、ありがとう高橋」
あずりん先輩の好きな人を考えると、どうしたってフワリくんしか浮かばない。
胸が異様にバクバクして、頭を使うミサンガなんて作れそうにないから。
1度落ち着きたくて、逃げるように出た廊下。
1階にある購買前の自販機へ、4人分の飲み物を買いに向かう。
その途中、事件は起こる……突然に。
「おー、高橋いいとこに!」
デジャヴの様なこの光景。
もりりんが1階の廊下の奥にある倉庫から顔を出し、こっちに向かって叫んでいる。
手伝ってくれる生徒を探してたって、分かりやす過ぎる顔の出し方に深い息が漏れた。
「お前ナイス、いいとこに来た!」
「なに、今度はなに持たせるの…」
「持たせるのってお前、俺が無理矢理持たせてるみたいじゃんかよー」
「無理矢理持たせてるし」
もりりんは最近、3-2の林先生とちょっとした噂になっている。
最初は森と林で合わせて森林、森林って、生徒が勝手にからかっていただけだったのに、学校外での2人の目撃情報が出て一気に信憑性が増してきた。
先生たちも人間だもん、普通に恋、するよね。
それはきっと、私たちなんかよりもよっぽど大人の恋、なんだろうけど……
「…人間だもの、ね」
「あ?なんだよ、エリカ様の次は相田みつをか?」
「……。」