揺れる群青
プロローグ
待ち合わせは、屋上。
ここなら他の人に会わないし、何を話してるかも聞こえない。
キィッと錆び付いたドアが開く音に振り返ると、相変わらず不満そうに眉を寄せた彼女が立っていた。
「遅かったなぁ」
「先生から呼び出し」
「大変やねぇ、クラス委員長さんは」
「内申点欲しいからね」
そう言って、彼女、早瀬 ゆかりは小さくため息をついた。
「で、また見てるの?」
「当たり前。見てみ?あの仲睦まじそうな2人を」
昇降口に目を向けると、2人の男女が手を繋いで歩いてくる。
言われなくても2人が恋人だということは明らかだ。
あれは、俺の想い人の花菱 優乃さんとその恋人である加賀美 柊太。
彼らを見つめる早瀬さんの眉間のシワがぐっと濃くなった。
それにクスリと笑ってしまったけど、きっと俺も同じような顔をしてるんだろう。
「で、あの話、考えてくれた?」
睨みつけるように向けられた視線に、あの話を持ちかけた日を思い出した。
ここなら他の人に会わないし、何を話してるかも聞こえない。
キィッと錆び付いたドアが開く音に振り返ると、相変わらず不満そうに眉を寄せた彼女が立っていた。
「遅かったなぁ」
「先生から呼び出し」
「大変やねぇ、クラス委員長さんは」
「内申点欲しいからね」
そう言って、彼女、早瀬 ゆかりは小さくため息をついた。
「で、また見てるの?」
「当たり前。見てみ?あの仲睦まじそうな2人を」
昇降口に目を向けると、2人の男女が手を繋いで歩いてくる。
言われなくても2人が恋人だということは明らかだ。
あれは、俺の想い人の花菱 優乃さんとその恋人である加賀美 柊太。
彼らを見つめる早瀬さんの眉間のシワがぐっと濃くなった。
それにクスリと笑ってしまったけど、きっと俺も同じような顔をしてるんだろう。
「で、あの話、考えてくれた?」
睨みつけるように向けられた視線に、あの話を持ちかけた日を思い出した。
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