揺れる群青
「……別れさせる、ねぇ」
笑顔で私に手を振ってから屋上を出ていった藤原 律。
私がOKしたのがそんなに嬉しかったのだろうか。
見下ろした昇降口には、優しい笑顔で花菱さんと話す加賀美がいる。
私は、あの顔が見られればそれでいい。
隣じゃなくて構わない。
離れたところで、いいから。
彼から幸せを奪うなんて、できない。
「協力する気なんて全くないよ」
あなたが彼の幸せを壊そうとするなら私はそれを全力で阻止する。
そのために藤原の話に乗ったのだ。
新しい連絡先には映えを狙ったフルーツたっぷりのケーキのアイコン。
見るからに甘ったるそうなそれに口の中が痛くなった。
画面を閉じスカートのポケットにスマホをねじ込む。
「さて、どうやって邪魔してやろうかな」
頭の中で色んな可能性を考える。
手っ取り早いのは藤原が花菱さんを諦めること。
他の誰かを好きになってくれればいい。
彼女以外なら誰だって構わない。
だけどそれが簡単じゃないのは分かりきっている。
「…ったく、厄介なのに目付けられたな、花菱さん」
胡散臭い関西弁を話すけど、校内一の天才とも言われるほど頭の切れる藤原
彼を相手にするのは骨が折れそうだ。
「加賀美、私が守るからね」
あなたの幸せを。
笑顔で私に手を振ってから屋上を出ていった藤原 律。
私がOKしたのがそんなに嬉しかったのだろうか。
見下ろした昇降口には、優しい笑顔で花菱さんと話す加賀美がいる。
私は、あの顔が見られればそれでいい。
隣じゃなくて構わない。
離れたところで、いいから。
彼から幸せを奪うなんて、できない。
「協力する気なんて全くないよ」
あなたが彼の幸せを壊そうとするなら私はそれを全力で阻止する。
そのために藤原の話に乗ったのだ。
新しい連絡先には映えを狙ったフルーツたっぷりのケーキのアイコン。
見るからに甘ったるそうなそれに口の中が痛くなった。
画面を閉じスカートのポケットにスマホをねじ込む。
「さて、どうやって邪魔してやろうかな」
頭の中で色んな可能性を考える。
手っ取り早いのは藤原が花菱さんを諦めること。
他の誰かを好きになってくれればいい。
彼女以外なら誰だって構わない。
だけどそれが簡単じゃないのは分かりきっている。
「…ったく、厄介なのに目付けられたな、花菱さん」
胡散臭い関西弁を話すけど、校内一の天才とも言われるほど頭の切れる藤原
彼を相手にするのは骨が折れそうだ。
「加賀美、私が守るからね」
あなたの幸せを。