白の悪魔と黒の天使
それなのに、何かにつけて、右近と会うことになる麗華は、業務内容以外、一言も話さず、右近を避けた。
女子社員からの人気を独り占めしてしまう程の容姿を持つ右近は、避けられ続ける事が気に入らなかった。
だから、何かにつけて、麗華にちょっかいを出してしまう。
それでも避けられ、もどかしくて、右近は、最終手段に出たのだ。
それが、冒頭の『壁ドン』だ。
いつも女子社員に囲まれてる右近がチャラく見えて、苦手。
そう言えば、右近はすんなり自分を自由にしてくれるのに、麗華は口が開かなかった。
『イケメン恐怖症』
冷や汗を背筋に感じた麗華の顔色はどんどん悪くなった。
…もうダメだ。
今にも気絶してしまいそうな麗華手を、誰かが引っ張り、壁ドンから解放された。
スーツの後ろ姿。
引っ張るその手は大きくて、温かい。
その手に連れられて、軽く感じる風に、麗華は息ができ、顔色が幾分戻った、
右近から離れた所で、振り返ったのはまたしてもイケメン。
麗華は唾を飲み込んだ。
イケメンは困ったような笑みを一瞬浮かべ、でもすぐに手を離すと、麗華の顔に冷たい缶を押し当てた。
「ヒャッ」
押し付けられた缶を掴むと、イケメンは、缶から手を離した。
「飲め、顔色が少しは戻るだろ」
真顔でそれだけ言うと、イケメンは、どこかに居なくなってしまった。
…海外事業部。
「…あれは」
イケメンだが、いつも仏頂面の海外事業部の黒瀬周だ。
女子社員からの人気を独り占めしてしまう程の容姿を持つ右近は、避けられ続ける事が気に入らなかった。
だから、何かにつけて、麗華にちょっかいを出してしまう。
それでも避けられ、もどかしくて、右近は、最終手段に出たのだ。
それが、冒頭の『壁ドン』だ。
いつも女子社員に囲まれてる右近がチャラく見えて、苦手。
そう言えば、右近はすんなり自分を自由にしてくれるのに、麗華は口が開かなかった。
『イケメン恐怖症』
冷や汗を背筋に感じた麗華の顔色はどんどん悪くなった。
…もうダメだ。
今にも気絶してしまいそうな麗華手を、誰かが引っ張り、壁ドンから解放された。
スーツの後ろ姿。
引っ張るその手は大きくて、温かい。
その手に連れられて、軽く感じる風に、麗華は息ができ、顔色が幾分戻った、
右近から離れた所で、振り返ったのはまたしてもイケメン。
麗華は唾を飲み込んだ。
イケメンは困ったような笑みを一瞬浮かべ、でもすぐに手を離すと、麗華の顔に冷たい缶を押し当てた。
「ヒャッ」
押し付けられた缶を掴むと、イケメンは、缶から手を離した。
「飲め、顔色が少しは戻るだろ」
真顔でそれだけ言うと、イケメンは、どこかに居なくなってしまった。
…海外事業部。
「…あれは」
イケメンだが、いつも仏頂面の海外事業部の黒瀬周だ。