フヘンテキロマネスク


「.......おはよ。今何時?私そんなに寝てた?」



今日は土曜日で、休日はよっぽど遅くまで寝ていない限り、渚は早く起きてても私を気遣って起こさないでいてくれる。渚が起こしたってことは、随分寝すぎてしまったのかな。むしろ寝足りないような気がするけど。疲れが溜まってたのかもしれない。


けれど渚の「ううん、まだ7時だよ」の言葉に、寝足りないと感じたのは当たり前であると知る。



「7時!?.......もしかして渚、今日平日だって勘違いしてる?」

「まさか。ちゃんと土曜日だってわかってるよ」

「じゃあ何か用事とかあったっけ?」



何も無かったような気がするけどな、と思いつつ尋ねると、渚
はその問いにもやんわり首を振って否定した。


「ちがうよ。.......ただ食パンがすごく美味しそうにできたから、出来たてのうちに真咲と食べたくて」



ごめんね、まだ眠いよね。そう言って、ちょっと反省したようにしゅんと眉を下げる。
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