フヘンテキロマネスク




なんとか重い足を動かして教室に入れば、至っていつも通りだった。


まあ昨日の今日だし、それに人の別れ話なんて実際皆興味無いのかも。保科くんと付き合った時に結構噂になったから身構えてしまっていたけれど、杞憂だったみたいだ。



―――そう安堵していられたのも少しの間のことだった。




「保科くん、来栖さんと別れたって本当なのかな」
「え〜どうなんだろ。でも本当だったら保科くん今フリーってことだよね?」
「そうなるね。でもさすがに本人には確認しにくいしさー」
「ってかなんで別れたんだろ。どっちが振ったのかな?」



放課後のざわめきの中、教室の後方でこそこそ話す女子数人の声。本人達は声を潜めてるつもりなんだろうけど、残念ながら聞こえてしまってる。
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