フヘンテキロマネスク
「え、デート!?」
「そうだよ、デート」
「いや、違うと思う」
「真顔で否定しないでよ」
頑なに否定する真咲に、悪戯心でほんの少し悲しそうな顔をしてみれば、困ったようにいつもより眉尻が下がって瞬きが多くなる。
いつもより僅かに幼いその表情は、今までにも何度も見た。俺が遥輝関連の話をしたときによくする顔だ。だからその表情自体は可愛いけど、遥輝がさせてるって思うと癪で、素直に可愛いと認めたくなかった。
……けど、俺の言動に反応して困ってると、ここまで可愛いなんて。
ときどき苦しくなって堪らないときもあるけど、でもやっぱり、どうしたって好きなんだなって思い知らされてしまう。
ついさっきまでは青空にさえ嫌気がさしてたくせに、真咲とこうやって一緒にいれば、ただの青空も、体育館から漏れる喧騒も、風に揺らめく木々すらも、なにもかもスパンコールを纏ってるように見えた。
「そうだよ、デート」
「いや、違うと思う」
「真顔で否定しないでよ」
頑なに否定する真咲に、悪戯心でほんの少し悲しそうな顔をしてみれば、困ったようにいつもより眉尻が下がって瞬きが多くなる。
いつもより僅かに幼いその表情は、今までにも何度も見た。俺が遥輝関連の話をしたときによくする顔だ。だからその表情自体は可愛いけど、遥輝がさせてるって思うと癪で、素直に可愛いと認めたくなかった。
……けど、俺の言動に反応して困ってると、ここまで可愛いなんて。
ときどき苦しくなって堪らないときもあるけど、でもやっぱり、どうしたって好きなんだなって思い知らされてしまう。
ついさっきまでは青空にさえ嫌気がさしてたくせに、真咲とこうやって一緒にいれば、ただの青空も、体育館から漏れる喧騒も、風に揺らめく木々すらも、なにもかもスパンコールを纏ってるように見えた。