フヘンテキロマネスク
そんなこんなで話しながら10分くらい歩いたとき、鈴本くんが人2人分ギリギリくらいの細い路地の入口で立ち止まって。
そして「あそこの看板見える?」と路地の奥の方に辛うじて見える看板を指さした。
「え、あそこが入口なの?」
「そう。わかりにくいよね。普通こんなとこに店なんか構えないと思うんだけど、隠れ家っぽくしたかったらしいよ。隠れ家ってレベル超えてるけど」
苦笑いする鈴本くんに同意するように頷く。こう言っては失礼かもしれないけど、確かにめちゃくちゃわかりにくい。こんなに細い路地の奥にお店があるなんて思えないから、地図を頼りに歩いてても素通りしてしまいそうだ。
これはもう動画撮った方が早いか、と少し後戻りして、わかりやすい目印があるところからスマホの動画モードをオンにする。
そんな私を見て「真咲?何してるの?」と不思議そうに鈴本くんが横から尋ねてきた。
「動画撮ってる。これがあれば迷わないかなって」
「あーなるほど。ってか話し声入ってるけどいいの?」
「いいよ。あとで音消すから」
「そっか。じゃあ何言っても大丈夫だね」
「?まあ消すしね」
相変わらずよくわからないけれど、気にせずに動画を撮る。とりあえず今はいかにブレずに撮れるかが重要だ。
そして「あそこの看板見える?」と路地の奥の方に辛うじて見える看板を指さした。
「え、あそこが入口なの?」
「そう。わかりにくいよね。普通こんなとこに店なんか構えないと思うんだけど、隠れ家っぽくしたかったらしいよ。隠れ家ってレベル超えてるけど」
苦笑いする鈴本くんに同意するように頷く。こう言っては失礼かもしれないけど、確かにめちゃくちゃわかりにくい。こんなに細い路地の奥にお店があるなんて思えないから、地図を頼りに歩いてても素通りしてしまいそうだ。
これはもう動画撮った方が早いか、と少し後戻りして、わかりやすい目印があるところからスマホの動画モードをオンにする。
そんな私を見て「真咲?何してるの?」と不思議そうに鈴本くんが横から尋ねてきた。
「動画撮ってる。これがあれば迷わないかなって」
「あーなるほど。ってか話し声入ってるけどいいの?」
「いいよ。あとで音消すから」
「そっか。じゃあ何言っても大丈夫だね」
「?まあ消すしね」
相変わらずよくわからないけれど、気にせずに動画を撮る。とりあえず今はいかにブレずに撮れるかが重要だ。