フヘンテキロマネスク
鈴本くんは一瞬考えを巡らすように店内を見渡すと、一番奥のテーブル席に足を運んだ。即座に翔さんがお冷やを持ってきてくれて、「注文決まったら呼んでね」というとキッチンに戻っていった。
「真咲、どれがいい?」
鈴本くんが私の正面にメニュー表を開いて見せる。これだと私は見やすいけれど、鈴本くんが見にくそうで、スッと90度回転させてふたりともが見れるようにする。鈴本くんの気遣いを無駄にしてしまうようで申し訳ないけれど。
「俺すぐ決められるから真咲の後でいいのに」
「私が選ぶのに時間かかって待たせちゃいそうで嫌だから。それにひとりで淡々と決めるより、せっかく一緒にいるんだからふたりで話しながら決める方が楽しいでしょ?」
なんて強引に押し切ってしまったけれど、あくまでもこれは私の価値観であって、鈴本くんからしてみれば面倒かもしれない。
だけど鈴本くんは何も言う気配がないから、そのまま身体を捻らせて真ん中に置かれたメニュー表を覗き込んだ。
そこにはキラキラ輝く色とりどりのスイーツの写真があって、どれもこれも美味しそうに見えてしまって困る。
「真咲、どれがいい?」
鈴本くんが私の正面にメニュー表を開いて見せる。これだと私は見やすいけれど、鈴本くんが見にくそうで、スッと90度回転させてふたりともが見れるようにする。鈴本くんの気遣いを無駄にしてしまうようで申し訳ないけれど。
「俺すぐ決められるから真咲の後でいいのに」
「私が選ぶのに時間かかって待たせちゃいそうで嫌だから。それにひとりで淡々と決めるより、せっかく一緒にいるんだからふたりで話しながら決める方が楽しいでしょ?」
なんて強引に押し切ってしまったけれど、あくまでもこれは私の価値観であって、鈴本くんからしてみれば面倒かもしれない。
だけど鈴本くんは何も言う気配がないから、そのまま身体を捻らせて真ん中に置かれたメニュー表を覗き込んだ。
そこにはキラキラ輝く色とりどりのスイーツの写真があって、どれもこれも美味しそうに見えてしまって困る。