ギガンテスの砦
ヴィグはギガンテスの戦闘種族の子孫であった。
齢15ながら、身体能力と格闘センスはピカイチであった。
まだ、線が細く筋力もまだまだであったか、それらをカバーするスピードと正確性であった。
そして、村の英雄であるゴォに試合を申し込んだのである。
リハビリの末、自警団に属するまでに行動はできるようになったが、人と闘ったりするのはしたくないと思っていた。
まして女性とである。全く乗り気じゃなかったのだが、ヴィグの言い分はこうである。
「ギガンテスの英雄と力比べがしたい!
お手合わせ願おう!」
こうして、試合をすることになった。

ヴィグの実力は、噂通りであった。
パワーこそなかったが、その正確性と的確に死中線を狙ってくる斬撃は鋭かった。しなやかな肉体から繰り出される一撃も、死角を突いてきて危ない一面もあった。
ただ、ゴォには体幹真撃があった。
体感真撃とは、ギガンテスに伝わる技法で気の流れを利用した武法である。
手にした斧・トマホークに、身体の中心から集めたパワーを集める。そこから繰り出される斬撃は通常の威力の数倍に匹敵した。
体感真撃を纏った一撃がヴィグを襲った。それを剣で受けたのだがその剣は折れ、その衝撃で吹っ飛ばされる始末だった。ゴォにしてみれば、3割程度の力であったのだが。
「おみそれしました」
ヴィグは素直に負けを認め、頭を下げた。そして、私に剣を体感真撃を教えてください、と懇願したのだった。


そうして、3人は切磋琢磨して過ごしてきたのだった。

















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