ギガンテスの砦

ヴィグはさっき見た事を伝える為、ゴォの元を訪れていた。
それを聞いたゴォは、とある事に気づいたようでそれを確認しようという事になった。
ゴォは、ヒムの他に自警団の者を２人従えて砦に向かった。
そこは。

砦に向かって左方向、１００メートルほど離れた地点である。
ギガンテスを囲む巨岩の前、ここを回って自警団は巡回している。
即ち、左手に岩の壁があってその先に砦の岩があるのだ。
そこでゴォは。
「なあ、みんな。砦の岩に変化はないか？」と、問うた。
自警団の若者たちは、じっと砦を眺めていたが首を傾げ、何も変化はないと思う、と答えていた。
ヒムも同じ。
ヴィグは。
岩の上を指差し。
「せり出ている。そう言いたいの？ゴォ？」と。
ゴォは頷いた。
「毎日見ていても、変化に気付く事は難しいかも知れない。少しずつ、少しずつ動いているからだ」
ゴォは続けた。
「あの先に何があるかは知らない。だが、何かが起こっているのは事実だ。それが砦の移動によって起こっている可能性
がある！」