ギガンテスの砦
ゴォ、ヒム、ヴィグの3人は村の外れの空き地へ集まっていた。
地面に円を描くように丸く座っていた。
ヴィグの傍らには、狼が丸くなっていた。その名をモルと言った。

「何が起こっている?不自然さがプンプンだ」
ヴィグが言うのも、無理はない。いくら長老がああ言っても、受け入れ難いのである。
ヴィグは正義感の強い女性で、村に舞い込む厄災に非常に敏感であった。
「ヒムの意見を聞かせてくれ」
ヴィグが促すと、ヒムがモゴモゴと話し始めた。
こういう場の時、リーダーシップを取るのが彼女だった。ゴォは口数が少なく、こんな場ではほとんど話さなくなるのだった。

「俺はゴォに助けられた。あのまま放っておいたら、消化されて糞になってたと思う。そう思うとゾッとする。本当ありがとう」
齢はヒムの方が上であるが、英雄とまで称されるゴォの事を尊敬していた。

「全ては砦だよ。砦の向こうに何かがあるのか、気になる」







< 9 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop