【SR】秘密
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「いらっしゃいませ!貴一さん、ご指名ありがとう」
あたしはしゃがみ込んでいつもの様に両手で握手をした。
「お友達もあたしに指名入れてくれたって……ありがとう」
同じ様に貴一さんの隣の男にも挨拶する。
まさか、昨日の今日で指名で戻って来てくれるなんて。
しかも友達連れで。
これでバックが増えると内心でほくそ笑む。
貴一さんみたいなタイプは接客して楽しい。
酔っ払って絡んで来る事は無いし、第一印象が良い人はだいたい波長が合う。
それに、こんなカジュアルなキャバクラなのに、照れ臭くなる位に紳士的。
長い客になるように引っ張らなきゃ。
「何飲みます?」
とりあえず貴一さんに向かって聞いた。
「あぁ、俺達二人とも今日車だからウーロンで。
急にこいつが来たいって言い出したから置いて来れなかったんだ。
桜は好きなの飲んでいいよ。あと、フルーツの高い方。
飲めない分ね」
本当に、よく気の回る人。
自分達の飲めない分、店のフードで一番高いものを自ら選んでくれる。
「ん、わかった。ありがとう!」
注文をしてから、貴一さんの友人に名刺を渡した。
「いや~、貴一から聞いてはいたけど、これほどの子とは思わなかったよ」