【SR】秘密
こくりと頷いた。


「……あの店で何人か症状がある人間がいた。
……できれば、もう出勤しない方がいいけど……。」


もうすぐ初のバースデーイベント。


一番の稼ぎ時で、その日は給料日。


たとえ店が無くなるとしても、貰うものは貰っておきたい。


十分過ぎる程の貯金はできたけど、成功の為には少しでもお金はある方がいい。


金の亡者と言われてもいい。


ただ生活するだけでお金はするりと手元を離れる。


あの人は当てにならないし、しっかり地に足をつけていなければ朽ち果てるだけ。


「……あと三日。三日後はあたしのバースデーイベントと給料日があるの。
生活がかかってるんです……それまでは……。」


貴一さんと刑事さんは顔を見合わせる。


「わかったよ、桜ちゃん。まだわからないけど、一応お酒は口につけない方がいい」


「桜、俺もそれまで毎日行くようにするから。
無茶はしちゃだめだぞ」


毎日?


貴一さんと視線を合わせると、はにかみながら頭を掻いている。


「用心棒って訳じゃないけど、こうなった以上、ちゃんと最後まで見届けたいし」


「貴一さん……なんで、そこまで……ううん、何でも無い。
ありがとう……。」
< 22 / 52 >

この作品をシェア

pagetop