【SR】秘密
「どうぞ、入って。
あ、荷物はそこに……ありがとう」
指定された場所にプレゼントの山を並べた。
桜は、白いポットの様な物に容器から液体を垂らしている。
ふわりと何か果物の香りが漂ってきた。
「ごめんね、狭くて。
母さんと二人だけだから……。」
「……お母さんは?」
張り詰める緊張感で、こんな時なのにわかりきった事を聞いてしまう。
「さぁ、今頃どこにいるのかな」
諦めた様な笑顔を見て、即座に質問をリセットしたくなった。
沈黙に耐えられない俺は本題を切り出す。
「……手紙は、今日は?」
カチャカチャと食器のぶつかり合う音が響く。
緊張で、手の平にじっとりとした汗をかいているのを感じた。
「……まだみたい。今までのが、これ」
テーブルに可愛いらしいキリンの首が持ち手になったマグカップをニ客置き、その横にずらりと紙が並ぶ。
普通のコピー用紙に、パソコンで打たれた淡泊な文字がぽつぽつと連なる。
同じ文面に、一番大きな数字は【7】。
そこから数は減り、【1】まで。
残るは…………。
俺とは裏腹に落ち着き払った桜が、妖艶に微笑んだ。
「ねぇ貴一さん、あたし、知ってるの」
…………残るは、【0】。
あ、荷物はそこに……ありがとう」
指定された場所にプレゼントの山を並べた。
桜は、白いポットの様な物に容器から液体を垂らしている。
ふわりと何か果物の香りが漂ってきた。
「ごめんね、狭くて。
母さんと二人だけだから……。」
「……お母さんは?」
張り詰める緊張感で、こんな時なのにわかりきった事を聞いてしまう。
「さぁ、今頃どこにいるのかな」
諦めた様な笑顔を見て、即座に質問をリセットしたくなった。
沈黙に耐えられない俺は本題を切り出す。
「……手紙は、今日は?」
カチャカチャと食器のぶつかり合う音が響く。
緊張で、手の平にじっとりとした汗をかいているのを感じた。
「……まだみたい。今までのが、これ」
テーブルに可愛いらしいキリンの首が持ち手になったマグカップをニ客置き、その横にずらりと紙が並ぶ。
普通のコピー用紙に、パソコンで打たれた淡泊な文字がぽつぽつと連なる。
同じ文面に、一番大きな数字は【7】。
そこから数は減り、【1】まで。
残るは…………。
俺とは裏腹に落ち着き払った桜が、妖艶に微笑んだ。
「ねぇ貴一さん、あたし、知ってるの」
…………残るは、【0】。