【SR】秘密
うっすらと開いた瞳に飛び込んできた真っ赤な桜の花弁は、あの時街を染めていた寒々しい紅葉の季節を思い出させる。
あの凍えた熱気の歓楽街。
あたしはその記憶を心の奥底にしまって鍵を掛けた。
“桜”は、もういない。
あたしは、“美咲”として生きて行けるんだ。
これからはずっと、この暖かな腕の中で…………。
耳元で囁く甘い声を聞きながら…………。
「美咲、愛してるよ」
ねぇ、先生?
あたし知ってるの。
貴方が、あの有名な夜の店や広告代理店なんかも抱えてる、グループ企業のトップの長男だって。
ヤマトの会社なんて目にならないくらいの、ね。
◆秘密・完◆
あの凍えた熱気の歓楽街。
あたしはその記憶を心の奥底にしまって鍵を掛けた。
“桜”は、もういない。
あたしは、“美咲”として生きて行けるんだ。
これからはずっと、この暖かな腕の中で…………。
耳元で囁く甘い声を聞きながら…………。
「美咲、愛してるよ」
ねぇ、先生?
あたし知ってるの。
貴方が、あの有名な夜の店や広告代理店なんかも抱えてる、グループ企業のトップの長男だって。
ヤマトの会社なんて目にならないくらいの、ね。
◆秘密・完◆